治療内容

当院で歯の根の治療(歯内療法)を受けられる患者様へ

「その時痛くなくなったらそれだけでいいですか?永くご自身の歯を大切にしたくありませんか?」

当院は歯の根の治療(歯内療法)を(も)とても大切にしています。これは建築でいうところの基礎工事と同じで、いくら綺麗な被せる人工の歯を入れても土台が悪ければ、またトラブルを起こします。歯の寿命を決める大切な治療です。

どの歯科医院でも毎日のように行われる歯内療法ですが、これは全て等しく同じ治療内容ではありません。神経のある歯に痛みが出た場合、神経が薬剤で死んでしまえばひとまず痛みは収まりますが、一所懸命やったとしても必要十分でない歯内療法であった場合、その後時間の経過と共に悪化しても無症状となることも多々ある一方で、腫れてきたり痛みが出たりすることも多々あり、そうしてまたやりなおし治療を繰り返す程に治療内容は複雑困難となり、場合により抜歯に至ります。

またダメージが大きい歯を抜歯すると後のインプラント治療が困難になるため再治療を徹底すれば残すことの出来る歯が抜歯されやすいことも日本ではまだ多く見られる事実です。

なぜか、それは多くある理由の主なひとつとして日本の保険制度に問題があります。正直を申し上げると、歯内療法を技術、設備、時間をかけて一所懸命やればやるほど赤字になってしまうからなのです。我々も苦しんでいます。国には助けてもらうことは出来ません。

また、患者様にとっても回数や時間、費用のかかる治療は理解してもらえないことがこれまでの日本の治療で一般的であるからです。残念なことに、先進国において歯内療法の成功率は日本ではとても低いのです。毎日毎日、被せの冠を外してやり直し治療をしています。

ある調査で60000人の患者様の神経を取った歯のレントゲンから不完全な治療であった割合は55%であったというデータがあります。つまり日本では一般的な歯内療法の成功率は半分以下であるという事実をどうお感じになられるでしょうか?

欧米で発達進化したインプラント治療。現在も無くなった歯を噛めるようにする最良の方法であることは間違いありません。しかし、明らかに言えることは「それでも天然の歯に勝るものなし」とういうこともまた間違いありません。

日本では抜歯後にインプラントを選ぶことはあっても、そもそも質の高い歯内療法を抜歯にならないように選択されることはまだまだ少ないと思われます。

正直生涯抜かずに保たせる治療はことはできるのでしょうか?それは大変難しいことだと思います。しかしこれまでは手探りの暗闇での経験と勘であった治療でありましたが、先進機器、優れた材料の助けもあり、拡大した視野の元で確実性をより高めた治療が可能になってきました。

以前であれば迷い無く抜歯であった歯を助けられる割合(成功率)は自分自身において、確実に年々上昇しています。

我々は精一杯の気持ちを込めた治療努力とメンテナンス(力と細菌による炎症のコントロール)で患者様の歯を一本でも大切に永く健康に機能していただく力になりたいと思っております。

症例

虫歯が進行して神経に一部達していても、神経が正常に生きている場合、顕微鏡拡大視野下で神経を傷つけないようにミクロン単位の手仕事で虫歯を削り取って、特殊なセメントで完全封鎖して神経を守ることが出来る場合があります。状況によりますが、どんな上手な歯内療法よりも天然の歯を守ることがまず第一に、そして何より大切です。

症例

歯の根の先が化膿して顎骨の深くまでダメージの及んでいた歯を手術や抜歯をせず、顕微鏡拡大視野下で専用器具を用いて慎重に、そして感染歯質を徹底して削り取り、洗浄と、特殊な物理的消毒を繰り返して溢れるほどの膿が止まったのを確認して封鎖し、補強して、冠を被せて歯を保護して初めて治療完了です。

症例

歯内療法はどれも言葉では「悪いところを削り取って綺麗に洗って消毒して薬をきちんと詰めて封鎖する」ということなのですが、患者様の協力と根気、我々もまた診断力と治療技術と根気が必要、そして何より、お互いの信頼が無いとうまくかない治療です。

症例

歯の内部、神経の通り道は複雑で曲がっていたり途中で細くつながっていたりします、またその道の壁には無数の細菌が入り込む小さな穴が開いています。人の手で100%の結果の治療が出来るとは思っていません。難しくなるほどにリスクは高まります。可能な限り歯の神経を取らないよう(その治療が必要になる程悪くならないように)生きている歯を大切にすべきなのです。

症例

ダメージを受けたすべての歯を抜かずに残すことはできません。残すべく技術を尽くして結局抜歯になることや、痛みはなくとも、レントゲンを一目見ただけで抜歯をお勧めする場合もあります。

そして、歯内療法が無事終わったら

歯内療法がうまくいったとしても新たな細菌感染ともろくなった歯をかみ合わせの力から守る被せものが精度が高くぴったりと合ってかみ合わせに調和するものでないと長期に歯を健康に保つことは困難です。以下は歯科ではよく知られている証明されたデータです。

治療が始まる前にご相談の上で患者様のご都合に合わせた精一杯の治療をさせていただきます。

「修復と歯内療法と根尖部の炎症状態の関係」

歯内療法の精度 被せものの精度 成功率
良い 良い 91.4%
悪い 良い 67.6%
良い 悪い 44.1%
悪い 悪い 18.1%

HA RayM Trope 1995 Jan 28文献より引用