治療内容

歯周病治療について

歯周病は歯を支える骨が破壊されていく病気です。歯肉だけのダメージの場合は歯肉炎、それが骨まで及ぶと歯周病と名前が変わります。現代の成人の8割が歯周病で、約半数近くに治療が必要であると言われています。また最近ではより若い人や子供でもその傾向が見られます、目安として歯ブラシをしたときに血がにじむかどうかがポイントになります。血が出るということは歯肉が炎症を起こして充血して腫れているということであり、歯周病を悪化させる一番の悪い細菌は血液の中にある成分を栄養に増殖します。歯周病治療の分かりやすいゴールは「歯ブラシをして血が出ない歯肉になること」です。

歯周病治療は長期戦です。健康な人が7日間歯を磨かなかったら歯肉炎になるけど、治すには10日かかるといわれています。
これはつまり悪くなるのは簡単、治すのにはより時間がかかるということです。
歯周病の主な原因は汚れの中の細菌によるものですが、悪い噛み合わせの力や、喫煙などは歯周病の悪化に大きく影響します。残念ながら薬だけで細菌をすべてやっつけることはできず、進行すると我々専門家が専門的に治療をしないと治りません。

歯周病は長い時間をかけて悪くなった病気です。例えば高血圧や糖尿病の治療も同じく、一回薬を飲んだから完治ということは無く、日々の生活習慣の改善やコントロールが不可欠で、これは歯周病にも同じことが言えます。シンプルで地味、時間のかかる治療です。そして再発、悪化しやすいのです。

当院では患者様にあった歯磨きアドバイスから始まって歯周病の手術も行いますが、様々な結果として歯肉が悪くなった状態で歯肉だけを治すのではなく総合的に治していくのが当院の方針です。また症状が安定した後、再発予防のための総合的な定期ケアを受けていただけるのかが、長期的に歯を抜かずに残せるかどうかの「命綱」になると考えています。歯周病は油断するとすぐに再発していく病気なのです。病原菌を完全にゼロにすることはできないのです。

  • 歯周病術前

    歯周病術前

  • 歯周病術後

    歯周病術後

歯周病を患者様とお互い協力して総合的に治療期間2年をかけて治した一例です。

歯周病治療の流れ

  1. まずは検査です。どの歯科医院でも一般的に行う手法です。細い器具を使って歯と歯肉の溝を探ります。そうして歯肉の破壊の程度や、どのくらい歯がぐらぐらしていて汚れがどんな部分についているかなども調べます。

    更にレントゲンで見えないところを詳しく調べます。歯周病の悪化とかみ合わせは関係しています。状況によりかみ合わせの診察も行います。ほとんどの場合、古いかぶせ物や詰め物を土台からやり直して掃除しやすい歯にやり直すことになります。総合的にお口の中の環境を改善することになります。

    歯周病の治療であっても嚙み合わせを大変重視しているのが当院の特徴で当院では総合的にお口の中の環境を改善することで歯周病を治します。

歯肉炎

歯肉炎の原因のほとんどは汚れからくるものです。
最近では学校の検診に行くと小学校高学年くらいの子供さんでも多くみられます。歯科に来院される成人の患者様は程度の違いはありますが、ほぼ皆さんといってもいいくらいでしょう。
皆様勿論、歯磨きはされていると思いますが、かぶせ物があったり、歯並びが重なることが多くなったり、抜けた歯がたくさんあったりすると上手く歯ブラシをあてるのは難しいと思われます。今まで何度も歯磨き指導を受けてきたけれども、なかなか上手に出来ない方もたくさんいらっしゃいます。当院では患者様個人に合わせたできるだけ簡単で続けられる方法をアドバイスさせていただきます。

中等度歯周病

歯肉から骨にダメージが及ぶと歯周病と名前が変わります。歯磨き習慣ができてうまく歯ブラシができるようになることが大前提ですが、その上で自分で取り除くことができない歯肉の下に隠れた歯石を丁寧に取り除くことをまず行います。これは一回ではできません。行う場合は痛みを感じないように麻酔をした上で歯科衛生士が主に行います。治り方をみて、再び行うこともあります。簡単にはきれいになりません。

軽度歯周病であれば、歯ブラシの改善と歯石除去でかなり改善がみられることでしょう。しかし歯周病が悪化する原因は汚れだけではありません。虫歯を残したままの合わない悪いかぶせ物や詰め物があったり、合わない義歯によるかみ合わせの悪い力は歯周病の悪化に大きく影響します。歯周病治療と合わせて以前に治した歯をやりなおすことが殆どです。

ご自身で取り除くことのできない隠れた歯石、汚れを取ったり歯磨きのやり方をご指導させていただくのは主に歯科衛生士が行いますが進行状況により手術をお勧めさせていただく場合があります。患者様と協力してチームで歯周病の治療に臨みます。
出来るだけ痛くない治療を我々は心がけていますが、手術はより積極的に歯周病を改善したいご希望、少しでも歯の寿命を延ばすために必要な場合、相談同意の上で行わせていただきます。

重度歯周病

歯周病が進行して支える骨がほとんど無くなってしまうと抜歯を覚悟する必要があります。現代の歯科医学では全ての患者様の重度歯周病を画期的に改善する方法はまだ発展途上中です。しかし当院では、悪いからとどんどん抜いていくようなことはしません。我々は将来のリスクを少しでも減らす努力をし、患者さんと協力して抜かないといけない歯と診断されても少しでも長く歯が保てるようベストを尽くすつもりです。

しかし手術など辛い治療で歯周病が改善したものの、その後全くメンテナンスがないまま結局抜歯になってしまった方もいらっしゃいます。また歯周病が進行して抜かないといけないと診断したものの長期の継続的なメンテナンスで何年も無事経過している方も沢山いらっしゃいます。どんな最先端歯周病治療もメンテナンスがあってこそ、なのです。

メンテナンスって?